魅惑のピアニスト

高橋多佳子さんのコーナー【1】

【第1回】 高橋多佳子さんとの出会いと、待望のコンサート
2003年岐阜でのリサイタルに、音楽に造詣の深い会員さんが行かれたのですが、とにかく彼女の演奏が素晴らしかったことから、安曇野の穂高に小さいが素敵なホールがあるのですが、是非とも来ていただけないでしょうかと、当時の彼女の所属している事務所の担当者に声をかけ交渉していただきました。サロン風の小さなホールということ、チケット料金も高額に設定できないことから、「何とかご理解をいただけないでしょうか」の話から「一応、高橋に聞いてみますとお答えになり、その返事も高橋多佳子さんが快く引き受けていただけることになり、万歳三唱を叫びたい気分でした。
時、あたかもは映画「戦場のピアニスト」が上映される前のことで、上映後の映画の大ヒットと試写会での彼女の演奏がマスコミにも取り上げられ、それが機会で仕事も忙しくなり上映後での交渉でしたら実現しなかったかもしれません。
何事においても、出会いとは因縁のように思えることがあります。出会うべきして出合ったと私達は本当に運が良かったのだと信じています。そして、ここから高橋多佳子さんとのお付き合いが始まることになるのです。


2003年 魅惑のピアニスト
「高橋多佳子ピアノリサイタル」
〜ショパンノ旅路〜ショパンの旅路 Vol.5「霊感の泉」〜ノアンとパリU

バラード 第 4番 ヘ短調 作品52、即興曲 第 3番 変ト長調 作品51、スケルツォ 第 4番 ホ長調 作品54、ノクターン 第16番 変ホ長調 作 品55-2、幻想曲 ヘ短調 作品49、3つのマズルカ 作品56、ポロネーズ 第 6番 変イ長調 作品53 「英雄」、子守歌 変ニ長調 作品57

【コンサート感想】
ショパンでは高橋多佳子さんの素晴らしい演奏は噂さでは聞いていましたが、生演奏が始めてという方がほとんどで、このコンサートが注目の的となったことは確かです。
調律士の佐野さんが完全なピアノ曲ということ、ショパンの全プログラムということもあり、完璧なまでの調音、調弦、等のメンテナンスも含め調律も見事さで最高の舞台を整えていただきました。高橋さんも私どものホールが初めてということと、多少のピアノの感覚をじっくりと味わうように、今回のプログラム以外の曲を演奏しホールの響き、ベーゼンドルファーの音色を確かめるように弾きこんでおられました。さて、いよいよコンサート、多くの会員の皆様が遠方の方を含めご案内をし満員の中でいよいよコンサートの開演です。
結果はいうまでもなくブラボーが叫ばれるなどその繊細なタッチピアニシモの見事さ、彼女の体から想像もつかない力強さ、そしてトークの混じりにお客さんとの演奏を通じ、心から触れ合うその空気が伝わりたちまち多くのファンを得ることになり、レコード会社がホールの定員を改めて聞いてくるほどのCDの売り上げでした。
曲自身の批評等は専門外ですので多くを語りませんが、とにかくショパンの曲が彼女の魔法のようなタッチから、最高傑作と呼ばれる数曲を聴いただけで、ため息と涙する人がいたことを伝えたいと思います。難しい解釈よりかどれだけ演奏が心に響いたかがコンサートの良し悪しだとおもいます。
とにかく、素晴らしいコンサートでした。
CDはちなみに、お客さんの半分以上が買っていただきましたことをお伝えいたします。

高橋多佳子トップへ戻る