2004年4月17日
高橋多佳子ピアノリサイタル
予想はしていたものの、高橋多佳子の人気はすさまじかった。
新聞等に掲載されるまで、既に会員さんや彼女の当ホールのコンサートの実現にご協力をいただいた方、そして、同窓会をコンサートと観光も兼ねてきていただいた方たちで、ホールは満員の状況であったが、信濃毎日新聞、タウン情報誌の掲載をこと細かく掲載して頂いたお陰もあって、予約の電話が殺到した。
しかし、キャンセル待ち、立ち見でもという方が大勢おられたものの、かなりの方に丁重にお断りすることにならざるを得なかった。

高橋さんが、今まで、卓越した素晴らしい演奏が記事として大きく取り上げられる機会が少なかったこと、1990年のショパンコンクールに入賞を果たしたものの、13年間にわたるポーランドでの生活の中で、ひたむきにショパンについて深い尊敬の念を抱きつつ、その生涯を「ショパンの旅路」と題するCDのシリーズの完結にむけて構想を練りつつ、日本でのコンサート活動も限られた枠の中でしか行っていなかったこと等も、その高い演奏技術を広く日本に知られていなかった原因のひとつかと思われる。

昨年の「戦場のピアニスト」の映画が空前のヒット作となり、本人もその映画にふさわしい環境にあることから、試写会にその映画の中でのショパンの曲を演奏したことから、脚光を浴びるようになり、ラジオ、テレビ等にも出演する機会もあり、彼女のその演奏が高く評価されるようになった。
そして、今年に入り主な音楽誌3月号、4月号の表紙や、インタビューコーナー登場するなど一気に知名度アップにつながった。
レコード芸術の特選盤に選ばれるなど、所属していたレコード会社が閉鎖となり、運よくレコード会社の移籍も決まり、文字どうりの「災い転して福となす」の表現がぴったりで、今後の活躍に期待されることの足がけになった。

さて、今回のコンサートもショパンの最晩年の名曲がずらりとプログラムに登場し、3つのマズルカ作品59、ピアノ・ソナタ第3番ロ短調の大作、舟歌、ポロネーズと見事なタッチで、至福の時間があっという間に終えてしまった。
昨年も、レコード会社が100人規模のホールとしてはCDが65枚が売れたのでも驚いておられたのが、今年は何と89枚と昨年の売り上げの4割増も売れたことは、当日のプログラムの「白鳥の歌」が60枚の全てが買っていただいたことからして、彼女の演奏がどんなに素晴らしかったかを証明している。
コンサート後のサイン会も、終始和やかに写真に応じるなど、彼女の温かい人柄がさらに人気のバロメーターと言えるだろう。
そして、打ち上げの懇親会も千葉からお越しのかた、山梨県からと県内外の方も参加され、彼女とこういう席でお話が出来たことの感動と、来年への熱い期待が感じられた。
とにかく、昨年以上にホールはヒートアップし、早くも来年への日程の設定に入ることだろう。

翌日は、池田町の陸郷の桜を見に小林さん、小久保さんを交えて春の名残の桜吹雪を堪能したあと、明科町の長峰山に上がり桜舞う頂上と北アルプスの絶景を楽しんで、名残惜しさの中、特急あずさ号で来年の約束をしながら、熱い握手でお別れした。

ああ、本当にみなさんに感動を与えてくれた、高橋多佳子さんに感謝するとともに、来ていただいた多くの皆さんに改めて感謝と、来年のコンサートで再会できることを心よりお祈りいたします。

長谷川芳治
当日のコンサートとサイン会、懇親会、桜の池田町の模様をお楽しみ下さい
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コンサート

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保さんご機嫌

懇親会

池田町 陸郷

池田町 陸卿

明科町 長峰山