2004年10月3日
[若林圭子シャンソンの夕べ」を終えて
プログラムの内容の大切さをつくづく感じました!!!!
昨年のコンサートが好評だったとして、今年も主催を頼まれての企画をしたのですが、一抹の不安が脳裏をかすめ人集めの難しさを改めて感じました。

というのも、昨年のコンサートがレオ・ヘレの曲を中心としたプログラムで、曲全体が暗いとか、よく知らない曲が多いという点を指摘されて、プログラムの大切さがつくづく感じさせられました。
したがって、当然にリピーターが余りないのではないかとの危惧もありましたし、もっと馴染みのある曲を何曲か入れるようお願いしました。「アカシアの雨がやむとき」「コンドルは飛んでゆく」「シクラメンの香り」「恋心」「ラストダンスは私に」と曲目に工夫を凝らしていただきました。

また、プロとしてよく受け入れていただいたなと思ったのは、アマチャアながら地元で歌が大好きでシャンソン、カンツォーネを主としたコンサート活動をしておられる片瀬真弓さんの前歌として出演でした。
彼女が出演することで、これからの彼女のコンサートの幅が、この経験が大きく左右するのではないかとと考えました。というのも歌唱力は素人離れしても、その歌の持つ独特の雰囲気が、さらにコンサートの楽しさをお客様が味わえるということです。
若林さんの持つ独特のムード、そして歌唱力は長年の経験と勉強から培ったものであること。さすがにプロだなとステージに立っただけで、衣装とお顔をみて「おお・・・シャンソン」と一転してしまうことです。

前歌で登場した片瀬さんもなかなか頑張りましたよ。リハーサルでプロのピアニストの豊島さんも気さくに接していただいたこと、若林さんのやさしい心遣いも見ていた私も、「ああ、紹介してよかったな」と思いました。

さて、いよいよ本番です。やはり少し緊張気味に「ケ・サ・ラ」はカンツォーネですが彼女が得意とするところです。続いて「愛の讃歌」なかなか声質があっているようです。いくら綺麗な声であってもその曲にあった声質がその歌の雰囲気を左右します。そして、いよいよ二人の趣向をこらした演出での「枯葉」・・・・・
若林さんがフランス語で曲の合間に口ずさみ、日本語で片瀬さんがムードたっぷりにうたう。そしてラストを二人でデュエットする。こんなストーリーでした。少し懲りすぎた点もありましたし、片瀬さんが少し遠慮気味に歌っているようでした。
なかなかプロの前で堂々と歌うことは余程の度胸が必要です。でもこの経験が始めて味わうプロの凄さを感じられて10月9日の片瀬さんのコンサートが一段とレベルアップしていると思うのは早計でしょうか。

続いて、プログラムも進行し、馴染みの曲が聞く側に和やかな雰囲気を提供できたのも良かった思います。
コンサート後の感想を聴くと昨年よりうんと良かった、片瀬さんも頑張ったねとアンケートも比較的満足された方が大半でした。しかし、入場者数が昨年の半数以下であったこと(新聞での掲載も昨年ほどに扱ってくれなかったことも)が、今後の課題になろうかと思います。前歌の片瀬さんの出演がなければどうなっていたかと思うと、これまた来年のコンサートを開催をどうするか考えると、興行的には考えざるを得なくなります。今回は本当に良かったと思われた方が、一人づつ集めるとしたら100人近くなりますが、時を過ぎるとそのときの感動も薄れてゆくでしょうし、本当に企画は人々の関心と集める話題性に尽きると思います。

今年の主催のコンサートも今月末の「久元祐子ピアノリサイタル」が最後になります。今回のコンサートはプログラムが皆様のリクエストにお応えしての曲を主として構成しています。ハロウィンの日に私達の尊敬と心から慕うファンが集うコンサートになろうかと思います。あの素敵な笑顔と温かい人柄に、晩秋の安曇野で素晴らしい音色を奏でてくれるのを楽しみにしています。

またまた、最後まで読んでいただいた皆様、お時間があれば今月末にホールでお会いしましょう。
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