2004年11月30日
11月26日からの三夜連続のコンサートを終えて
心から3日間を楽しませていただきました。本当に有難うございました。
10月までの暇な時期から一転して、11月はおかげさまでコンサートの回数も多くて、とりわけ26日からの三夜連続のコンサートは本当に楽しい想いをさせていただきました。

というのも、26日は「世界遺産 熊野古道に想いをはせて」”紀州の歌コンサートと写真展”は和歌山県出身の滝尻京子さんが、筒井一貴さんのピアノ伴奏で、故郷の和歌山県の熊野古道が世界遺産に登録されたことから、60歳の還暦の記念としての一大決心で、紀州の歌をCDに収録し、和歌山県の熊野古道を始め素晴らしい故郷を、ひとりでも多くの方に知っていただくために企画をされたコンサートです。そのために、10月からの毎週水曜日に、東京から筒井一貴(ピアノ)さんに来ていただき、オペラを歌い続けてきた歌唱法を徹底して、故郷の歌らしい歌唱力を身につけるための特訓が始まりました。
これは、声楽家としては大変な試練といえます。大きなホールで思い切り声を出す発声法と比べると、故郷の歌らしく感情を込めて優しく歌うことも必要ですし、[故郷の心]はやはりその懐かしい[故郷]を知っている方が歌うのが本意ではないでしょうか。滝尻さんが無事収録したCDがどんなに素晴らしい出来栄えか、まずは聴いていただければ本当によく分かると思います。1曲一曲が眼を閉じれば紀州の光景が今にも浮かんでくるようです。(CDのジャケットご覧下さい)
さて、当日のコンサートは滝尻さんのファンと、故郷の和歌山から知人達の皆様で定員いっぱいになりました。また、作曲家の森川隆之さんもお見えになり、滝尻さんの素晴らしい歌声と、最後には森川先生の指揮による「愛するふるさと」を二部合唱も行うなどホール最高潮になり、本当に観衆と一体になり素敵なコンサートになりました。当日大上敬史さんの熊野古道写真展も話題を呼びました。CDも結構な枚数が売れたことも心から嬉しく思いました。

次に、27日の「第5回つづれおりコンサート」です。2000年のホールの開館直後に、当時信州大学生だった松本 剛君と才能教育のピアノ講師の久保田尚代さんが、Tapestry01というshinshu music scene 2000 issueの取材に来てくれたのがこのコンサートのきっかけでした。このとき取材を受けたアコーステックギターユニットのYAMAーSHOWSもそうです。この取材が2000年8月27日の等々力区民コンサートの開演前でした。その2000年12月に第一回のつづれおりコンサートが始まり、今回、満四年目にして第五回目のコンサートはこの「つづれおりコンサート」が唯一です。音楽好きな職種がまちまちのメンバーが、ほとんどボランテァの形で出演をしジャンルも本当に幅広く楽しめるコンサートを、各々が時間の調整をして継続していることが、本当に有難く感謝しなければならないコンサートのひとつでもあります。今回は、新たなメンバーを編成しての素晴らしく楽しいコンサートになりました。沖縄民謡や、弦楽四重奏、ピアノソロは例年にほぼ変わりはなかったものの、今回、初参加の8人のトロンボーンの演奏、パーカッションと踊りは本当に凄い盛り上がりようでした。当然YAMA−SHOWSは例年のとおりトリでの演奏ですし、全員合奏はまさにクライマックス(画像を見てね!)でした。この豪華なメンバーでの前売り700円は本当にもったいないなあという気持ちがしました。また、今回のコンサートも新聞掲載とかの宣伝もあまりしていないことから、61名の入場者に留まったことは、少し残念でした
来年以降、チケット料金はさしおいても、人集めにもう少し工夫をすることが最大の課題といえます。

最後に一流のメンバーが揃ったBLUESPOWER ファンキージャズセッションは佐山雅弘のピアノの音色と、トランペットの五十嵐一生の音色も聴くものに深い印象を与えたといえる。もちろん、表 直志のドラムはいまさら言うまでもないが、ステックさばきと音にこだわる彼の姿がよくあらわれていた。グレッグリーはあくまでの影的な存在を意識している謙虚な姿勢も好感を与えた。今回のメンバーはドラムの表直志の編成で、ジャズの醍醐味を思う存分に発揮できたセッションであった。
ひとこと、曲目順等の打ち合わせが手間取り、開演が25分間も押したことが、早くから来てくれたお客さんに不満を与えなかったかを心配することは、私の思い過ぎであろうか。来ていただいた方に対して開演の押しは10分が限度ではないかと思う。その分以上に素晴らしい演奏が帳消し以上の結果を呼んだ事は、心から素直に喜びたいと思う。
打ち上げも、0時近くまでに及び、家内がいくら健康に自信があるとはいえ、少し心配の種になったのは正直な気持ちである。ただ、ストレスを残すような疲労感ではなくて、楽しんでいる以上は健康には害を与えるようものでなく、心地よい疲労は後にも残らないことは幸いである。
私も、今回の三夜連続コンサートはジャンルもそれぞれ違い、また、味があり本当に楽しいコンサートであったと思うし、多くの方がそれぞれに楽しんでいただけたということが、何よりであったと思う。これらのコンサートが毎年継続できれば最高の幸せです。
あづみ野コンサートホールへ戻る