私どものホールが開館して、今年で五周年を迎えることになりました。本当に早いもので、全くの音楽音痴が何故、音楽ホールなんか始めたのか、今から振り返って考えてみても本当に不思議でした。特にクラシック等には興味もなく邦楽の筝・尺八については、少し学んでいた関係で知識はありましたが、その他の音楽についてはマスコミに登場する、いわばタレント的な音楽家くらいしか名前も知りませんでしたし、関心もありませんでした。
でも、不思議ですね、「食べず嫌い」ということをよく耳にしますが、私たちもホールを始める前まではクラシック音楽等は聴いても分からないと言った、「聴かず嫌い」といった感じでした。でも、本当に何度か良い音楽を耳にすると、心地よさというか、その曲はよく理解出来ないけれど、いろんな楽器の音色が何ともいえなくて、心の奥深く響く快感を覚えることが分かりました。演奏家の心が表れる、聴く人の心をとらえる。演奏者と客席が一体になり素晴らしい感動をいただける。二時間ばかりの演奏会が、始まる前の楽しみ、コンサートの時間の楽しみ、そして、あとで脳をよぎる余韻と、三つの楽しみがいただける音楽は本当に人々の心の癒しとなり、そして明日への生きがいと、大きなエネルギーになること、それが音楽なんですね。その素晴らしい音楽の楽しみを知らない方が大変多いことが少し残念で仕方がありません
しかし、安曇野のこのような小さなホールが今まで音楽に縁がなかった方に、毎日の生活に少しでも潤いを提供出来たことを誇りに思っています。これからも、微力で小さなホールですが、会員さんを始め、ホールを応援していただいている関係者の皆様のお力をいただくとともに、今回の新聞の創刊を通じて、もっと私どものホールを知っていただだけるきっかけになればと念じております。何せ、初めての新聞づくり、穂高パソコン教室の優秀な講師の指導に基づいて、毎日を楽しんでパソコンの前で奮闘しています。創刊号もほぼ完成し、あとは、おひとりの演奏家のメッセージを待つばかりとなりました。日々の生活を楽しき生きる、遠い将来を考えて生活設計も大切ですが、その日その日を大切に生きていくことの尊さと、改めて音楽を通じて知ることが出来たことを嬉しく思います。そして、多くの仲間と演奏者との触れ合いが、音楽を通して生まれたことの感動をいつまでも大切にしたいものです。
あづみ野コンサートホールの「友の会だより」を会員の皆様を始め、演奏家、そして関係者の方たちの声をお届けして意義ある情報源として、提供できればと願っています。そして、今回の新聞づくりの体験から、これからもっとパソコンの技術的な向上をめざし、素晴らしい「友の会だより」を充実したものにしたいと考えています。そして、ホールが来ていただいている多くの皆様に素晴らしい音楽と、笑顔の絶えない憩いの場でありたいと決意をいたします。
最後に、お金に代えることが出来ない「真の豊かさと」を皆様とともに味わうことが出来れば、私達にとって安曇野での第二の人生が意義深いものであった証として残るものと信じています。多くの方たちの出会いをつくってくれた音楽が出会いの最高の舞台つくりに欠かせない大切な台本であり、演出であると信じています。これからも皆さんの温かいご支援を心からお願い申し上げます。
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