6月18日、ホールの会員さんを伴って松本市の音楽文化ホールに出かけました。目的は3月同ホールで行なわれた、天満敦子さんのコンサートで共演をされた、チェリスストのルドヴィート・カンタさんの出演するドヴォルザークのチェロ協奏曲ロ短調op.104と、グラズノフのサクソフォン協奏曲
変ホ長調op.109の須川展也さんのサクソフォンの2曲が聞きたくて少し高いチケット代金したが行くことにしました。
プログラムは、まづグラズノフの最晩年の曲といわれる、サクソフォン協奏曲から始まりました。晩年をパリで過ごした彼が、この地でサクソフォンと「新しい楽器の」魅力に気付き、この曲を作曲したグラズノフさんのことを、正直言って全く知らないこともあり関心はありました。オーケストラをバックにサックスのソロがどんな演奏をするか興味津々でした。グラズノフがペテルブルグに生まれロシアの作曲者であり、早くから音楽の才能に気付かれ、15歳でリムスキ・ーコルサコフに師事。15歳の若さで出世作「第一交響曲」を発表し、広く名を知られるようになったそうです。その彼が1905年にペテルブルグ音楽院の院長となり、かの有名なショスタコーヴィテ等を始めとする後進の指導にあたったということも始めて知りました。演奏は須川展也の渋いサクソフオンの響きを十分に味わうことが出来ました。その音色は管弦楽団をバックに微塵とすらしない余裕を感じさせられました。サクソフォン奏者として一流であり、改めて機会があればわがホールでも吹いて欲しいとスタッフの方も同じ気持ちかと思います。もちろん、あとでCDのサイン会ではしっかりと名刺を渡し、アピールをしたのは言うまでもありません。
次にチェロのカンタさんですが、昨年の2月に天満敦子さんのコンサートにピアノの寺嶋陸也さんも共演で、天満さんも熱烈なファンのお1人として、その技術を高く評価されているということをお聞きし、お話のとおり素晴らしい技術とチェロの美しい音色を堪能させていただきました。
さて、演奏ですがドヴォルザークのチェロ協奏曲 op.104は彼の晩年に当たる1894年に作曲が開始され、チェコに帰国後も作業も続けられて1895年2月に完成した。54歳のときの作品である。
ロ短調は第1楽章のアレグロ ロ短調4/4拍子 、第2楽章 アダージョ・マ・ノン・トロッポ ト長調 3/4拍子
第3楽章 アレグロ・モデラート ロ短調 2/4拍子とチェロの朗々たる響きにまるで歌うような特性、チェロの魅力を余すとところなく生かす高い技巧が要求されるのであるが、カンタさんのチェロと管弦楽と見事なまでに、そのの迫力と融合されチェロという楽器の魅力のとりこになってしまいました。もちろん、コンサート終了後にカンタさんのサインをいただきながら名刺をお渡ししました。日本人の奥様を持たれて、見事な日本語で会話をいただきました。
2部は、やはりドヴォルザーク作品の交響曲 第8番 ト長調 op.88「イギリス」は思う存分に弦楽器の奏でる美しいメロディーを充分に堪能したことは紛れも私の素直な気持ちです。本日は管弦楽団の魅力にすっかり感動した、本当に音楽の魅力を最高に感じたコンサートでした。
今年、来年とチェロのコンサートがしてみたいとの気持ちにかられ、11月のポーランドのパベウ・ロックさんのチェロリサイタルが今から楽しみになりました。(トップページ参照)今夜は気持ちよく眠りにつけそうなそんなコンサートでした
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