2005年7月31日
和波たかよしさんのヴァイオリンリサイタルを聞きに、合併一周年を迎えた、北杜市高根町の「ふれあい交流ホール」に行ってまいりました。「ます」の演奏には時に感慨深いものがありました。
月もいよいよきょうで終わり、和波さんからご招待をいただいて、私たちホールの大切な仲間の皆さんたち7名で、北杜市の合併一周年記念もかねたコンサート「弦楽とピアノによる名曲の夕べ」を聞きに、高根町の「ふれあい交流ホール」に行ってまいりました。このコンサートは和波さんが「八ヶ岳サマーコース&コンサート」としてら始められて20年目を迎えられました。「豊かな自然に恵まれた素晴らしい環境のもとで、恩師の貴重な教えや、演奏活動で得た経験を後輩たちに伝えたいと」との一念で始められたこの催しも、次第に参加希望者も増えて、今では30名を超える受講者、聴講者が集まってお互いに音楽と取り組んでいる貴重な場を提供されています。そして、このコースの期間中に二度のコンサートを開催されるなど、和波さんの音楽に対する真摯な姿勢には頭が下がる思いです。

今回が20回目という節目、和波さんにとっては還暦と、紫綬褒章の受章と想い出深い一年にさらに華を添えるこのこのコンサートは、昨年からは、高根町の素晴らしい音響を備えた木作りのこのホールで行われるようになり、和波さんの演奏が心に深く刻み込まれる魂を感じます。今回は和波さんの教え子であり、現在はプロとして活躍されている皆さんが競演でシューベルトのピアノ五重奏、イ長調 D714「ます」を聞けるということで楽しみたいと、ホールの仲間の皆さん7人で出かけました。

途中、中央道の八ヶ岳SAではツバメの珍しい巣を見つけ、デジカメで撮影しました。動物好きの私には何ともいえない、和やかな光景で通りすがる人たちも、心和むひと時を提供してくれていました。高根町には、かなり早めに到着した関係で、のんびりとした時間を夕食に費やしました。開演前には、ホールの玄関先で大阪からこられたという方たちと、自然と話が弾み記念撮影を頼んだりしながら、いよいよ開場です。

第一部は、和波さんと土屋さんとのヴァイオリンソロで、ベートーヴェンのソナタ 第3番 変ホ長調 op.12 no.3と、ドヴォルザークの小品、クライスラーのロンディーノ、美しきロスマリン、前奏曲とアレグロでした。聞き慣れた曲も楽しいし、余り馴染みのない曲でも素晴らしい名曲があることを何度かコンサートを経験していると、不思議と分かるような気がいたします。前半は特にベートーヴェンのソナタ第3番は、第3楽章の中での曲の流れを聞いていて、本当に心が豊かになった気持ちがしました。

さて、本日のまさしくトリとして、シューベルトの「ます」が始まりました。コントラバスの低い音色と、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのハーモニー、ところどころに聞かせどこらのピアノの音色、長い曲ですが、楽しめる部分がいくらもあり、演奏時間の関係なく素晴らしい演奏でした。コンサート終了後は、一年ぶりにメンバーの皆様と会話を交わし再会を喜びました。これでまた、音楽を聞く喜び、そして演奏家の皆さんとの触れ合いを味わうことが出来ました。さあ、10月1日は当ホールで和波さんのコンサートだと、思わず気持ちを引き締めることになりました。これをお読みになった皆さん、素晴らしい演奏と、音楽に取り組む素晴らしい姿勢の和波さんのコンサートに、是非、お越し下さい。お待ちしています。
長谷川芳治
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