2005年8月27日
男声カルテット ワンダーQ 第5回ほのぼのコンサート
今年は元藤原歌劇団の大野静勇(バリトン)さんが特別ゲストとしての出演もあり、超満員の熱気の中、プロの声量の凄さに改めて感動いたしました。

 今年も男声カルテットのワンダーQのコンサートの季節がやって来た。早いもので今年で第5回目を迎えることになった、。今回は記念すべき節目のコンサートということもあって、元藤原歌劇団で活躍されていた大野静勇さ(バリトン)を特別ゲストとしてお迎えすることで、一段と盛り上げようとの気迫がうかがえました。このコンサートがいつも満員で人気があるのはメンバーのひとりでもある奥田正道さんの心配りと、地道な営業活動を語らずにはおられません。本当に私も見習わないと心から思っている次第です。

午前のコンサート前のリハーサルでは、大野静勇さんがステージ上の最高のポジションを決めるために、沢さんが見事なステージマネージャーとなり、その意見にワンダーQのメンバーも大野さんも納得のうえ、それに従ってリハーサルも順調に上がり、万全の体制でコンサートの開演に備えた。

さて、コンサートでですが、プログラムが6部構成からなり、なかなか工夫をこらしていることがうかがえました。というのも、第1部が「思い出の歌」として、「箱根八里」「出船」「故郷」「琵琶湖周航の歌」「山寺の和尚さん」をさすが息の合ったカルテット振りを披露してくれました。もちろん、お客様も大喜びであることは言うまでもありません。第2部は、韓国のお客様もお見えになるということもあり、心憎い気配りを感じさせられました。「ポリバッ」」南村」そして韓国ブームの立役者的存在の冬ソナから「最初から今まで」それから「愛しの金剛山」をうっとりと聞かせていただいた。ワンダーQもまだまだ健在振りを披露してくれました。

そして、第3部で、本日の特別ゲストの大野静勇さんの登場です。もともと藤原歌劇団でオペラを歌っておられたので、いわずと知れたその声量が見ものである。いや聞き物である?。なんでもそうですがプロというためにはそれなりの凄さがある。イタリア歌曲、カンツォーネの「すでに太陽はガンジス川から」「ベェネツィアの景色」「新月」「夜の声」をホール内にその声量たっぷりに歌い終えると、感激あまりに万来の拍手の嵐となった。本当にトップクラスの凄さを改めて感じさせられました。

20分間の休憩のあと、第4部で五十嵐玲子さんのピアノ独奏で、リストの「ラ・カンパネラ」に注目が集まった。この曲は余りにも有名で、フジコ・ヘミングの演奏には本当に心打たれた方も多いと思う。胸が痛くなるような悲しさが旋律から伝わってくる。この曲がヴァイオリニストとしても有名なパガニーニの曲を、リストがピアノ曲としてリストが編曲したものであることを学びました。鐘を鳴らす音がゆったりと物悲しく聞える、そして涙を誘う。このような名曲で皆様の耳も肥えていることを考えると、本当に弾くのも勇気がいると思う。とにかく、余リにもほとんどの皆様が知っている曲を弾くということは、それだけ自信と演奏技術のある証明とも言えるかもしれないし、五十嵐さんは見事に弾き終えられた。下記は、その曲の元となったものであります。
1・パガニーニによる超絶技巧練習曲 第3番 「ラ・カンパネラ 第1稿」
2・パガニーニによる大練習曲    第3番 「ラ・カンパネラ 第2稿」
3・ラ・カンパネラの主題による華麗なる大幻想

第5部はワンダーQの持ち味のひとつ、ロシアの歌で「すずらん」「道」「百万本のバラ」「ステンカラージン」「鶴」「カチューシャ」を歌い、同世代の方にとっては、ダークダックスやデュークエイシス、ボニージャックスを思い起こされたかもしれません。それだけワンダーQの歌も人を感動させる力をつけている証明かもしれません。そして、いよいよラストの第6部の懐かしの歌になりました。曲ももっとも皆さんが懐かしさと郷愁を偲ばせる名曲の数々で「芭蕉布」「若者たち」「いい日旅立ち」「津軽の振るさと」そしてとりとして、やっぱりこの曲「川の流れのように」で男声カルテットの最高の見せ場となりました。

最後にお客様を交えての全員合唱で「故郷」を歌い幕を閉じました。ワンダーQのメンバーが体の続く限り、そして私たちが元気でいる限り、これから末永くコンサートが継続できることを願っています。ホールが超満員のお客様と、夏の暑さでご迷惑をおかけしたことをお詫びし、来年の反省材料としてワンダーQの皆様と考えたいと思います。メンバーの皆様、ご苦労様でした、そして、お越しいただいたお客様にも感謝いたします。そして、来年もさらに成長したワンダーQの姿を期待してお待ち下さい。

☆コンサート終了後、ワンダーQのメンバーさんは穂高山荘さんに宿泊されましたが。夕食後にはピアニストの村上 巌さんの素敵なピアノ演奏を含め楽しいひと時お過ごしになられました。私も温泉をいただいたあと、アップライトのピアノであれだけの演奏が出来る技術を感心し聞き入っていました。そして、いつか当ホールでコンサートが出来ますことをお祈りいたします。
長谷川芳治
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