2004年6月27日
2年振りの 大木稲子ピアノリサイタル
今年も愛をいっぱいいただきました
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2年ぶりの大木稲子(入力すると大きい猫とでます)さんのピアノリサイタルが開催されました。
一昨年は。2日間にわたり大勢の方に来ていただいたのに、何故か今年は一回のコンサートにかかわらず、お客さんがいっぱいにならなかったことが少し寂しかったですが、爽やかな笑顔は相変わらずで、コンサートも心のこもった演奏に来られた方も大変満足の様子でした。
今年のコンサートの主催が東京の事務所(ル・グランシャ)になり、地元の安曇野では人集めのほうが少しのんびりとしていたようでした。しかしコンサート自体は稲子さんのトークにも演奏にも細やかな心遣いと、いっぱいの愛を感じさせられました。
いつも美しい笑顔に富んだ表情と人柄は来た人の心を和ませるに充分でした。
演奏曲目は、お馴染みの、エルガーの「愛のあいさつ」に始まり、ドゥビュッシーの「プレリュード」「メヌエット」「月の光」「バスピエ」ラヴェルの「道化師の朝の歌」ドヴォルザークの「スラブ舞曲10番ホ短調」「ユモレスク」そして関心の的であったショパンの「ソナタ第3番ロ短調は」、4月に高橋多佳子さんの素晴らしい演奏を聴いた余韻が残っており一部の会員さんにはどう感じたのでしょうか。リクエストの一曲目が大木さんのオリジナル曲、本当に美しい曲でした。「月の光」はいくら聴いても美しい曲でしたね。演奏はその人の感性と技術が現れます。
演奏技術は、その人の感性を通してどういう表現を伴うか、聴いている方が聴覚と視覚から感じるものです。
技術的にいくら優れていても感性を伴わない演奏では感動はしませんし、演奏曲目に対する心の入れ方が、聞く側にどう届くかも素敵なコンサートになるかどうかの大きな判断のひとつです。
大木稲子さんはとても素敵な心も持ち主ですし、いつも感謝の気持ちを忘れずに演奏に向かう姿勢は共感を呼びますし、このような方にホールのピアノを弾いていただくことが出来て、ピアノも喜んでいると思います。
調律士の佐野さんが、たまたまホールにお越しになり彼女の演奏を聴いて、ベーゼンドルファーのタッチのこと等を
説明されたのを謙虚に受け止めて、早速その奏法を忠実に弾かれました。
やはり、それだけで大木さんの音色が変わったのです。
良い音色を出すことは、そのピアノの特長を知り、それを最大限に生かすことにあります。
それぞれのピアノにはそれなりの個性があり、そのピアノと会話するくらいの心をもたないと良い音色を出してくれません。人間社会でも人を使うことは、その人間の長所を最大限に生かして使うことであるのと同じです。
なんだか、偉そうなことを書きましたが、大木稲子さんの演奏を皆さんが聴かれて、まず性格が凄く謙虚で優しい方、思いやりの心をお持ちの方と感じられたことと思います。
演奏に対する批評等は、私は専門外ですし、コンサートの良し悪しは聴かれた方の価値観であり、演奏者と一緒に素敵な時間を過ごせたかということです。
そんなことを考えると、今回のコンサートは本当に気持ちが良かったと言えるでしょう。
今年が2回目、これからも安曇野でのコンサートを毎年は難しいかも知れませんが、また、実現出来ることを願っております。
最後になりましたが、今回、人集めからプログラムの作成と受付、そして遅くまで大木さんのホテルの送り迎えに奮闘された加藤直美さん、本当にお疲れさまでした。
最後のハプニングで、深夜までお世話されたこと大木さんはきっと深く感謝されていると思います。
今回のコンサートが、一人ひとりの大きな愛に包まれて成り立ったこと、そして演奏者の感謝の気持ちが聞く側に充分に伝わったことと信じています。
お越しいただいたホールの会員さんを始め、皆さんにホールからも改めて感謝いたします。
これからも、どんどんコンサートが開催されます。ジャンルは違っても音楽の心は共通です、またの皆さんのお越しを心よりお待ち申し上げます。
コンサートの画像を見て頂いて、素晴らしいコンサートのことを思い出して下さい。また、あいにくと来れなかった方、
次回のコンサートに来ていただけたら幸いです。
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長谷川芳治 |
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