2005年9月22日
富山県の高岡市文化ホールでの、高橋多佳子さんのピアノリサイタルに行って来ました。ラフマニノフのピアノ・ソナタと初めて聴いたリストのリゴレットに感動しました。歯切れに良いトークと魂の入った演奏に多くのお客様も感激されていました。

 22日の19時から開演の「高橋多佳子ピアノ・リサイタル」にホールの仲間の皆様と、岐阜の山越えのルートを辿り、富山県の高岡文化ホールまで行ってまいりました。
紅葉には少し時期が早いものの、山並みはさながら山水画を思わせる光景を、走る車窓から堪能しつつ快適なドライブです。そして、夕闇迫る富山市に入るや、素晴らしい落日を見ることが出来ました。残念ながら写真は建物が障害となりカメラには収められませんでしたが、我が眼にしっかりと捉え、心の印画紙に焼付けをいたしました。高岡文化ホールに到着すると多佳子ちゃんが最後のリハーサルをしているところでした。それも終えるとステージに袖でホール主催の4月のコンサート以来、いや6月25日のやはり富山県の入善コスモホール以来の再会を嬉しく思いました。ああ、多佳子ちゃんはいつもと本当に変わらないなあ、何度会っても新鮮で可愛くて少女のような可憐さをっ感じさせられるな!」と感じたのは私だけでしょうか。ホールの山本さんにご挨拶を交わし、またと当ホールのこんさーとの多佳子ちゃんのこんさーとにも来て頂いたMさんにも久々のご挨拶をし、ホールに入ることにしました。700人収容のホールは7割くらいのほぼ満員に近いお客さんで、クラシックコンサートにすれば上々に入りでした。

さあ、コンサートの始まりです。明るく笑顔で登場した多佳子ちゃんが、まず1曲目には本日のコンサートのサブタイトルに、ピアノは歌う〜古典から未来へ〜のように古典音楽(バロック音楽)で、バッハの「主よ人の望みの喜びよBWV.147-10」を合唱楽章らしくつつましく聴き惚れていました。古典音楽の良さを感じた短い時間でしたが、ホール内もしーんと静まり返りました。1曲目が終わり多佳子ちゃんの歯切れの良い、巧みなトーク入りの曲目解説に入りました。コンサートでのトークはうるさい人には不評でしょうが、多佳子ちゃんのトークに関しては本当に分かりやすく、言葉尻もしっかりと好印象を与えるという珍しいピアニストと言えます。このトークが人気の一部分かもしれません。続いてシューベルトのピアノ・ソナタ 13番 イ長調 D.664、初めて聴くのですが極めて技巧的な演奏曲のリゴレット・パラフレーズの作品です。聴いた感じでは確かに難曲という感じがいたしました。

ここで15分間の休憩の後、ショパンの対照的なノクターン 第2番 変ホ長調 作品9-2は本当に聴き慣れた曲で、続いての 第13番は ハ短調 作品48-1 はショパンの円熟期を代表するノクターン中の傑作を言われています。優美な旋律の流れる主部と情熱的な中間部のコントラストが絶妙で、私も下手ながら挑戦したいなんて恐れ多いことを考えていました。本当に夜想曲らしく心が洗われました。そして、最後の難曲で多佳子ちゃんもコンサートで初めて弾くということで、開演前にどきどきしているというラフマニノフの「ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 作品36」は3つの楽章からなりたっているが、どの楽章も主題に同じ下降形の素材を用いた「循環形式」と呼ばれる形のもと、全楽章が緊密に結びついていることを、実際にその部分を弾きながら説明を加えていました。難しい曲をこれほどまでに丁寧にトークを交えながら演奏するピアニストは他に余りいないのではないでしょう。その説明の部分を確かめるように聞き入りましたが、何せ耳が理解できていないのでしょうか、自分の音感の悪さに呆れ返っていました。演奏が終了するや否やサイン会に気軽に応じているのを横目に見ながお別れしました。でも、明日にはテレビでお会いできることを楽しみに、北陸道を快適に走り23日午前1時過ぎにホールに無事帰舘いたしました。

翌日の朝日系テレビの「芸能人格付けチェック」見ましたか!
多佳子ちゃん可愛く写っていましたね。ほんのわずかの出演でピアノも少しだけでも、名前の紹介等はしっかりしてくれましたので、本当に良かったです。これからはピアニストとしての出演を事務所側に期待するところです。

長谷川芳治
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